押切もえさんの言行録「徹子の部屋」より(2009/2/9)

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押切もえさんの言行録「徹子の部屋」より(2009/2/9)

黒柳徹子さん「身長は？」
押切もえさん「169センチですね。ただ、ショーモデルからすると、ちょっと身長が足りなくって、ファッションショーに出られない時期とかもあったので」
黒柳徹子さん「挫折した時もあったんですって？」
押切もえさん「そうですね。10代の時に、読者モデルをアルバイト感覚でやっていて。 15キロぐらい太っていた時期なんですけど、それからプロになりたいと言って、『CanCam』に入ったので、最初はちょっと年齢で遅すぎるっていうこととか、あと、イメージが違うっていうことで、なかなか、お仕事をいただけなかったんですけど、その中で、いろんな人に、事務所の人とか、『CanCam』の編集部の方とか、ファンの方に支えてもらって、頑張ろうと思えて、今があるっていう感じですね。」
黒柳徹子さん「イメージが違う？」
押切もえさん「最初の面接に行った時点で、『今は、10代の子を中心に新しくモデルをとっているから、20歳になってる押切さんはちょっと・・・』っていう感じだったんですけど。『だめだったかー』と思っていたら、『一回だけ、チャンスがあるから、行ってみませんか？』って言われて。それまで、いろんな言い訳をして、ダイエットとか、取り組まなかったんですけど、一週間に2キロぐらい落として、『CanCam』っぽい格好をして。(受かって、)徐々に撮影が増えて、その後も何度か挫折は経験してしまったんですけど」
黒柳徹子さん「お母さんがおしゃれが上手だそうですね？」
押切もえさん「そうですね。母が小さいころから、働いていて、それでおしゃれだったんですね。お洋服が好きで。で、働くことも、好きで。で、家事もちゃんとやっているっていう方だったので、すごく忙しかったと思うんですけど。その影響で、お洋服とか、お化粧をしている姿とかに憧れていたっていうのはあります。私たちが小さいころ、私と2こ下の弟がいるんですけど、小さいころ、お洋服汚しちゃうじゃないですか。遊んでたりして」
子供の時に、弟さんと一緒に写っている写真を公開。
押切もえさん「(弟)今も、おっきいんですよ。私よりも10センチ以上背が大きくって。それで、かわいい服を着させてあげたいということで、母が働いてくれてたっていうのをすごく覚えています」
黒柳徹子さん「お母さんがどういう服を着てたとか思うこともあるんですって？」
押切もえさん「いきなり、高校生のモデルから、『CanCam』という、OLさんのコンサバ雑誌に行ったので、はっきり言うと、ジャケットの着こなし方とか、ブラウスの襟のたて方とかわからなかったんですけど、なんとなく、記憶にあった母の着こなしを思い出して、それで颯爽と出て行く、玄関を出て行く姿を思い出して。そんな感じで、撮影に臨んでいたっていうのもありますね。気持ちっていうのは、すごく残酷なほど、カメラの向こうに出てしまうので、ちょっとなんか、これでいいのかなと思ってると、それもだめになってしまったり、伝わらなくなってしまったり。それで、カメラマンさんの方から怒られて、涙が止まらなくなっちゃったこともありました。」
黒柳徹子さん「健康管理は？」
押切もえさん「ダンスをやったり、好きな運動をやってますね。体を動かすことが好きなので」
黒柳徹子さん「私もやらなかったんですよ。でも、15年ぐらい前から、これではだめだなと思って、やんないとと思って。それで、ジャイアント馬場さんが『あなたは100歳まで舞台をやりたいそうですね。じゃ、あヒンズースクワットをやってください』って、ジャイアント馬場さんは見せてくださったんですよ。ヒンズースクワットを。そういうふうにやるんだ、と思って。『ぼくはレスラーですから、昔2000回やりましたけど』って。『黒柳さん30回でいいですから』っていうことで。で、お亡くなりになっちゃったんで、遺言のように。約10年ぐらい前ですかね。ずっと、それから、毎晩、どんなことがあってもやってます。それはね、今、50回やってるんですけど。今、『コアリズム』って、コアリズムの中にヒンズースクワットも入れ込んじゃって、寝る前に20分」
押切もえさん「運動も、もともと得意じゃなかったんですけど、たまたま、させていただいたホノルルマラソンのお仕事があって、それで、走った経験があまりなかったんですけど、やってみよう、なんか、自分を変えたい、みたいな。そんな気持ちでチャレンジしたら、大人になっても達成できることってあるんだと思って。それから、いろんな運動に目を向けて、今は、ゴルフをちょっと練習したりしています。 (ホノルルマラソンは)2回走ったことがあって」
黒柳徹子さん「完走なさった？」
押切もえさん「はい。それまでは、あきらめやすい性格がすごくコンプレックスだったんですけど」
黒柳徹子さん「あなたの性格が、人みしり？」
押切もえさん「はい。すごく人見知りです黒柳徹子さん「それから、臆病？」
押切もえさん「はい。」
黒柳徹子さん「それから、諦めやすい？」
押切もえさん「はい。すごいそうだったんですけど、だから、学生時代になにか、やり遂げたっていう思い出があんまりないんですけど、大人になってから、なにか、やっていきたい。モデルもあきらめないことで今続けられているから、それで、今もどんどん黒柳さんのように、挑戦していきたいなって」
黒柳徹子さん「人見知りっていうのは」
押切もえさん「閉じていては、何も成長できないなと思って。傷つくのがすごく怖かった時期があるんですけど、やっぱり、傷ついて何かを得た方が絶対いいなと思って。」
黒柳徹子さん「ハワイに行ってて事故に？」
押切もえさん「最後の日にたまたまオフが一日できてしまって。その中で、何をしよう、普段、行かないことをやってみよう、やらないことをやってみよう、と思ってしまったんですよ。魔がさした、というか。海水浴に行ってしまったら、海に、波に巻き込まれて。頚椎骨折という大きな。首と、あと胸骨も。日本についてから、痛みをこらえて、そのまま帰国して」
黒柳徹子さん「首の骨が折れたら死ぬっていうじゃない？」
押切もえさん「ほんとに、呼吸が危ない状況だったんですけど、自分のミスだったので、人に申し訳ないっていうので、もう『大丈夫』って、そのまま、痛み止め飲んで帰ったんですけど、まさか、自分でも、折れてるとは。日本に帰ってきて、病院行って、そこから、もう、救急病院搬送されて、そこから、そのままスーツケースを持ってるまま、入院して。一か月入院して。もう、これ以上ほんとに、最後の瞬間というか、今、これ以上動かしたら、ほんとうに、危ないっていうのが、自分の本能で感じまして、でも、その次の日に朝5時から仕事が入っていて、やっぱり、それにいきたいっていうのがあって。先生に、『あした、5時からで。早めに帰してください』とか言ってたんですけど、『ほんとに呼吸止まりますよ』っていうことを言われて。『両親を読んでください』っていわれたんですけど、やっぱり、迷惑をかけたくないっていうのもあって。泣く泣く読んだら、もう、うちの両親は厳しいので、『人に迷惑をかけたらいけない、って言ってるでしょ？』って。寝てるまま、しっかりきつく怒られて。私も、泣くしかないというか、謝るしかないというか」
黒柳徹子さん「お仕事できはかったでしょ？それは」
押切もえさん「はい。その次の日から、もう、1ミリも動かしちゃいけないっていう状況だったので、寝たまま。寝たきりで。もちろん、お風呂とかにも入れないし、ご飯も自分の目線の上にあるものを食べるというか、なんとか、鏡を使って、食べてたりしたんですけど」
黒柳徹子さん「どのくらい？」
押切もえさん「まる一か月ですね」
黒柳徹子さん「その時の女性の看護師さんが？」
押切もえさん「そうなんです。入院した初日に、やっぱり一人になると、その時は、面会謝絶で。で、誰とも会えない。事務所の方と、家族だけっていう状態で、一人で。入院もはじめてだし。『何やっちゃったんだろう』と思って、しくしく泣いてたら、ある看護師さんがふっと入ってきて、お茶を入れてくれて、『押切さんは笑っていてください。笑ってた方がいいですよ』って、声をかけてくれて。もう、すごく嬉しくて。それまで、すごく忙しく働いていたし、自分のことでいっぱいいっぱいだったんですけど、こんなに人のためを思う仕事、そもそも、仕事ってこういうものなのかもしれないって気づかさせてくれて。で、その方、ずっと面倒見てくれたんですけど、途中で、結婚退職されて。その時に、まだ、私は立てなかったんですけど、最後にお手紙をくれて」
その手紙を読んでみました。
黒柳徹子さん「お礼を言いましょう。」
押切もえさん「ありがとうございました」
黒柳徹子さん「後遺症は？」
押切もえさん「ないので、ちゃんと治療してもらって」
黒柳徹子さん「全部で三か月ぐらいかかったんですって？」
押切もえさん「そうですね。一か月の入院のあと、二か月半自宅療養っていって、それでも、すごい大げさな野球のキャッチャーみたいなギブスをして。すごく、それから仕事に対しての見方。看護師さんのホスピタリティー精神、そこに尊敬したし、そこから、また、姿勢が変わった気がします」
黒柳徹子さん「本を『モデル失格』」
押切もえさん「私にぴったりのタイトルだと思っています。このタイトルを見て、え？って思う方は、ぜひ、読んでほしいなと思います。美容とか、健康のことももちろん書いているんですけど、読んだ人が幸せになるような」
黒柳徹子さん「アルバイトもされてたんですって？」
押切もえさん「『CanCam』をはじめたばかりのころに、事務所がなくなってしまって。それで、交通費とかもなくって。でも、うちは、働かざるもの食うべからずっていう家訓があるんで、家賃も納めなくてはいけないので、どうにかしなくてはと思って。工場で、日雇いのバイトを。パンです。とくに、大きな面接もないし、日雇いで飛び込みでいけるっていうのがすごく大きくて。やっぱり、親も仕事がない、 20歳ぐらいの女の子が家にいると、心配しちゃうので、私もなるべく外に出るように」
黒柳徹子さん「あと、ケーキ屋さんの冷凍庫の中の掃除も？」
押切もえさん「そうですね。やってましたね」
黒柳徹子さん「いろいろやってるのね」
押切もえさん「でも、そういうことがあって、今、すごくお仕事楽しくやらせてもらってると思います」
(2009/2/9放送テレビ朝日「徹子の部屋」より)